FFmpegのインストール方法を解説するサイトは数多くありますが、「なぜFFmpegが必要なのか」という根本的な説明が不足しているケースがほとんどです。
本記事では、音楽生成AIの時代における FFmpeg の重要性から説明し、主にWindows環境での初心者が躓かない正しいインストール方法をご紹介します。WSL環境での利用についても触れていきます。
なぜFFmpegが必要なのか
近年、AI技術の進歩により、誰でも手軽に音楽を生成できる時代となりました。これらの音楽生成AIツールの多くは、音声ファイルの処理にFFmpegを必要とします。しかし、「FFmpegとは何か」「なぜ必要なのか」という基本的な説明がないまま、インストール手順だけが示されているケースが多く見られます。
FFmpegのインストール方法を選択する
FFmpegをインストールする際、環境によって適切な方法が異なります。特に注意が必要なのは、Windows環境とWSL(Windows Subsystem for Linux)環境での違いです。
Windows環境での選択
- Windowsネイティブアプリケーションで音声処理を行う場合に必要
- Windows用のバイナリ(実行可能ファイル)を使用する
- 公式サイトで表示されるソースコード(.tar.xz)は避ける
WSL環境での選択
- Linux環境として動作するため、Windows版は不要
- WSL内で直接インストールすることが可能
- Ubuntuなどのパッケージマネージャを使用して簡単にインストール可能
初心者が避けるべき落とし穴
- 公式サイトのソースコードダウンロードは初心者には不向き
- コンパイル作業が必要で、多くの依存関係の解決が必要
- 代わりにビルド済みのバイナリバージョンを選択すべき
音楽生成AIの処理における重要性
AIによる音楽生成において、FFmpegは以下のような重要な役割を果たしています:
入力音声の処理
- AIに音声データを入力する際、様々な形式(MP3、WAVなど)の音声ファイルを適切な形式に変換する必要があります
- FFmpegは、この変換処理を担う基盤ツールとして機能します
出力音声の加工
- AIが生成した音声データを、実際に使用可能な形式に変換する際にもFFmpegが必要となります
- 特に、異なる形式への変換や、音質の調整などにおいて重要な役割を果たします
プログラミング言語との連携
- 多くのプログラミング言語のライブラリ(Pythonのpydubやmoviepyなど)が、FFmpegを外部ツールとして利用しています
- これらのライブラリを使用する際には、FFmpegのインストールが前提となることが多いのです
FFmpegが必要となるケース(仮想環境)について
Pythonの仮想環境で開発をする際、プロジェクトによってFFmpegの必要性が異なります:
FFmpegが必要となるケース
- オーディオファイルの直接処理が必要な場合
- AIツールが音声ファイルを読み込む/書き出す際の処理
- WAVやMP3形式の変換が必要な場合
- 特定のPythonライブラリを使用する場合
- pydubライブラリを利用する場合
- moviepyライブラリを使用する場合
- 音声データの前処理が必要な場合
- 音声ファイルのトリミング
- フォーマット変換
FFmpegが不要なケース
- AIツールがFFmpegを必要としない設計の場合
- Pythonライブラリが独自の処理機能を持っている場合
- 音声処理を必要としないプロジェクトの場合
確認方法
- プロジェクトのドキュメントでFFmpegの要件を確認
- 実際に環境で試してエラーが出るか確認
- 音声ファイルの入出力時にFFmpeg関連のエラーが出る場合は必要
FFmpegが必要となるアプリケーションやケース
動画編集・処理ソフトウェア
- DaVinci Resolveなどの動画編集ソフト
- Handbrakeなどの動画変換ツール
- OBSなどの配信・録画ソフトウェア
音楽・音声制作ツール
- Audacityなどの音声編集ソフト
- MuseScore等の楽譜作成ソフトでの音声出力
- 各種DTM(デスクトップミュージック)ソフト
開発環境・フレームワーク
- Node.jsでの動画・音声処理
- Pythonの各種ライブラリ(先述)
- JavaScriptのメディア処理ライブラリ
Webアプリケーション
- 動画配信プラットフォーム
- オンライン会議システム
- Web上での音声・動画変換サービス
AIツール全般
- 音声認識アプリケーション
- 音楽生成AI(前述)
- 動画処理AI
このように、実は私たちが日常的に使用している多くのアプリケーションがバックエンドでFFmpegを利用しています。FFmpegは「縁の下の力持ち」として、現代のマルチメディア処理の基盤となっているのです。
インストール方法の正しい選択
さて、ここまでFFmpegの重要性について説明してきましたが、ここからいよいよインストール方法について解説していきます。実は記事の最後に、簡単にインストールできるスクリプトをご用意していますが、その前に重要な注意点があります。
多くの方が最初に訪れるFFmpegの公式サイト(ffmpeg.org)では、一見わかりにくい落とし穴が存在します。サイトのトップページで目に入る大きな「Download」ボタンをクリックすると、ダウンロードページに移動します。しかし、ここで注意が必要です。
ページ上部に配置された目立つダウンロードリンクは、実は実行可能ファイルではなく、「Download Source Code(ソースコード)」なのです。初心者の方々が最もつまずきやすいポイントの一つが、このソースコードと実行可能ファイルの違いを理解していない点にあります。
FFmpegの実行可能ファイルの入手
実は、ページを少し下にスクロールすると、OS別のアイコンと共に実行可能ファイルへのリンクが表示されています。

Windowsユーザーの場合、「Windows EXE Files」セクションに2つの選択肢が表示されます:
- Windows builds from gyan.dev
- Windows builds by BtbN
この記事では、より頻繁にアップデートされ、安定性の高い「Windows builds by BtbN」を選択します。このリンクをクリックすると、GitHubのリリースページ(github.com/BtbN/FFmpeg-Builds/releases)に移動します。
ここで、実行可能ファイルのうち「ffmpeg-master-latest-win64-gpl-shared.zip」をダウンロードします。このバージョンを選ぶ理由は、多くのアプリケーションと互換性が高く、システムリソースの使用も効率的だからです。
これで正しいファイルのダウンロードまでたどり着けました。しかし、ここからが実は初心者の方々が躓きやすいポイントとなります…
インストール手順
ダウンロードしたZIPファイルの展開と設定は以下の手順で行います:
1. ZIPファイルの展開
- ダウンロードした「ffmpeg-master-latest-win64-gpl-shared.zip」を展開します
- 展開先は分かりやすい場所を選びましょう
- 例:C:\Program Files\ffmpeg
2. 環境変数の設定
- Windowsキー + R キーを押して「実行」を開きます
- 「sysdm.cpl」と入力してシステムのプロパティを開きます
- 「詳細設定」タブをクリック
- 「環境変数」ボタンをクリック
- システム環境変数の「Path」を選択して「編集」をクリック
- 「新規」をクリックし、FFmpegのbinフォルダのパスを追加 例:C:\Program Files\ffmpeg\bin

3. インストールの確認
- コマンドプロンプトを開きます(新しく開く必要があります)
- 以下のコマンドを入力してバージョンを確認
ffmpeg -version
4. 動作確認
- 正しくインストールされていれば、バージョン情報が表示されます
- エラーが表示される場合は、環境変数の設定を再確認してください
ここまでの手順が面倒に感じた方のために、次のセクションで自動インストールスクリプトをご紹介します。このスクリプトを使用すれば、上記の手順を全て自動で行うことができます。
FFmpegが複数のフォルダにインストールされ、それぞれが環境変数に登録されている場合、以下のような状況が考えられます:
環境変数の優先順位
環境変数 PATH
に登録されているディレクトリは上から順に検索されます。そのため、複数のFFmpegがインストールされている場合でも、PATH
のリストで一番上に記載されたFFmpegが優先的に実行されます。
例:
PATH=/usr/local/ffmpeg/bin:/usr/bin/ffmpeg:/custom/ffmpeg/bin:$PATH
この場合、以下の順でFFmpegが検索されます:
/usr/local/ffmpeg/bin
/usr/bin/ffmpeg
/custom/ffmpeg/bin
最初に見つかったFFmpegが使用されます。
簡単インストール:自動スクリプトの使用
ここまでFFmpegの重要性と手動でのインストール方法を説明してきました。実は、これらの手順を全て自動化するスクリプトをご用意しています。このスクリプトを使えば、ダウンロードから環境変数の設定まで自動で行うことができます。
スクリプトを使用する前の準備
- スクリプトの保存
- 下記に示すスクリプトをテキストエディタにコピー
- 「install_ffmpeg.ps1」という名前で保存
- PowerShellを管理者として実行
- スタートメニューで「PowerShell」を検索
- 右クリックして「管理者として実行」を選択
- ※管理者権限が必要な理由:環境変数の設定やプログラムのインストールには管理者権限が必要です
スクリプトの実行手順
- 実行ポリシーの設定
Set-ExecutionPolicy -Scope Process -ExecutionPolicy Bypass
- この設定は一時的なものです
- スクリプト実行後は自動的に元に戻ります
- スクリプトの実行
.\install_ffmpeg.ps1
- インストールの確認
- 新しくPowerShellを開き、以下のコマンドを実行
ffmpeg -version
- バージョン情報が表示されれば成功です
コマンドの解説
Set-ExecutionPolicy -Scope Process -ExecutionPolicy Bypass
各オプションの意味:
Set-ExecutionPolicy
- スクリプト実行ポリシーを設定するコマンドです。
-Scope Process
- 実行ポリシーを「現在のセッション(プロセス)」だけに限定します。この設定はPowerShellを閉じるとリセットされ、永続的な変更はされません。
-ExecutionPolicy Bypass
- Bypassは、すべてのスクリプト実行を許可する設定です。セキュリティチェックを無視して、スクリプトをそのまま実行できます。
このコマンドを使う理由
- 一時的な変更:
- セキュリティを保つため、システム全体のポリシーを変更せずに、現在のセッションだけ実行ポリシーを緩和します。
- 例えば、デフォルトの実行ポリシーが「Restricted(スクリプト実行不可)」になっている場合でも、この方法で一時的にスクリプトを実行可能にできます。
- セキュリティリスクを最小限に抑える:
- ポリシーをシステム全体に適用するのではなく、必要なときだけ変更するため、安全性が高まります。
注意事項
- スクリプトは必ず管理者権限で実行してください
- セキュリティのため、スクリプトの内容をご確認ください
- このスクリプトはWindows環境専用です(WSLでは使用しません)
- バージョン確認の前にPowerShellを再起動しないとうまく表示されません。
このスクリプトを使用することで、FFmpegを簡単かつ安全にインストールすることができます。手動での複雑な設定作業を自動化することで、初心者の方でも確実にインストールを完了できます。日本語版はBOMありUTF-8で保存する必要があります。最も確実なのは英語版を使用することです。
# メッセージ定義
$MSG = @{
START = "=== FFmpegインストールスクリプトを開始 ==="
END = "=== FFmpegのインストールが正常に完了しました! ==="
RESTART = "ffmpeg.exeを使用するには、PowerShellまたはCMDを再起動してください。"
REMOVING = "既存のFFmpegインストールを削除中: "
REMOVED = "既存のFFmpegインストールを削除しました。"
NOT_FOUND = "既存のFFmpegインストールは見つかりませんでした。"
DOWNLOADING = "FFmpegをダウンロード中: "
DOWNLOAD_COMPLETE = "ダウンロード完了: "
PREPARING_TEMP = "一時展開フォルダを準備中: "
EXTRACTING = "ZIPファイルを展開中..."
EXTRACTION_COMPLETE = "展開完了。"
CREATING_INSTALL = "インストールフォルダを作成中: "
SINGLE_SUBFOLDER = "単一のサブフォルダを見つけました。内容を移動中..."
MULTIPLE_SUBFOLDERS = "複数またはサブフォルダなし。すべての内容を移動中..."
FILES_MOVED = "ファイルの移動先: "
CHECKING_PATH = "FFmpegのbinフォルダがPATHにあるか確認中..."
ADDING_PATH = "FFmpegのbinフォルダをPATHに追加中..."
PATH_ADDED = "FFmpegのbinフォルダをPATHに追加しました。"
PATH_EXISTS = "FFmpegのbinフォルダは既にPATHに存在します。"
CLEANING = "一時ファイルを削除中..."
CLEANED = "一時ファイルを削除しました。"
}
$ERR = @{
REMOVE = "既存のFFmpegの削除に失敗しました。エラー: "
DOWNLOAD = "FFmpegのダウンロードに失敗しました。エラー: "
EXTRACT = "FFmpegの展開に失敗しました。エラー: "
MOVE = "FFmpegファイルの移動に失敗しました。エラー: "
BIN_NOT_FOUND = "FFmpegのbinフォルダが見つかりません: "
PATH_UPDATE = "PATHの更新に失敗しました。エラー: "
CLEANUP_WARN = "一時ファイルの削除に失敗しましたが、重要ではありません。"
}
# 設定
$ffmpegUrl = "https://github.com/BtbN/FFmpeg-Builds/releases/download/latest/ffmpeg-master-latest-win64-gpl-shared.zip"
$tempZip = Join-Path $env:TEMP "ffmpeg.zip"
$tempExtractDir = Join-Path $env:TEMP "temp_ffmpeg_extract"
$installDir = Join-Path $env:ProgramFiles "ffmpeg"
Write-Host ""
Write-Host $MSG.START
Write-Host ""
# 1) 既存のFFmpegインストールを削除
try {
if (Test-Path $installDir) {
Write-Host ($MSG.REMOVING + $installDir)
Remove-Item -Path $installDir -Recurse -Force
Write-Host $MSG.REMOVED
} else {
Write-Host $MSG.NOT_FOUND
}
}
catch {
Write-Error ($ERR.REMOVE + $_.Exception.Message)
exit 1
}
# 2) ZIPファイルをダウンロード
try {
Write-Host ""
Write-Host ($MSG.DOWNLOADING + $ffmpegUrl)
Invoke-WebRequest -Uri $ffmpegUrl -OutFile $tempZip -UseBasicParsing
Write-Host ($MSG.DOWNLOAD_COMPLETE + $tempZip)
}
catch {
Write-Error ($ERR.DOWNLOAD + $_.Exception.Message)
exit 1
}
# 3) 一時フォルダにZIPファイルを展開
try {
Write-Host ""
Write-Host ($MSG.PREPARING_TEMP + $tempExtractDir)
if (Test-Path $tempExtractDir) {
Remove-Item $tempExtractDir -Recurse -Force
}
New-Item -Path $tempExtractDir -ItemType Directory | Out-Null
Write-Host $MSG.EXTRACTING
Expand-Archive -Path $tempZip -DestinationPath $tempExtractDir -Force
Write-Host $MSG.EXTRACTION_COMPLETE
}
catch {
Write-Error ($ERR.EXTRACT + $_.Exception.Message)
exit 1
}
# 4) 展開したファイルをインストールフォルダに移動
try {
Write-Host ""
Write-Host ($MSG.CREATING_INSTALL + $installDir)
if (!(Test-Path $installDir)) {
New-Item -Path $installDir -ItemType Directory | Out-Null
}
$subDirs = Get-ChildItem -Path $tempExtractDir -Directory
if ($subDirs.Count -eq 1) {
Write-Host $MSG.SINGLE_SUBFOLDER
$contentPath = Join-Path $subDirs[0].FullName "*"
Move-Item -Path $contentPath -Destination $installDir
}
else {
Write-Host $MSG.MULTIPLE_SUBFOLDERS
Move-Item -Path (Join-Path $tempExtractDir "*") -Destination $installDir
}
Write-Host ($MSG.FILES_MOVED + $installDir)
}
catch {
Write-Error ($ERR.MOVE + $_.Exception.Message)
exit 1
}
# 5) PATHの更新
try {
$binPath = Join-Path $installDir "bin"
if (!(Test-Path $binPath)) {
Write-Error ($ERR.BIN_NOT_FOUND + $binPath)
exit 1
}
Write-Host ""
Write-Host $MSG.CHECKING_PATH
$machinePath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable("Path", "Machine")
$pathItems = $machinePath -split ";"
$normalizedBinPath = (Get-Item $binPath).FullName.TrimEnd("\")
$alreadyExists = $false
foreach ($item in $pathItems) {
try {
$normalizedItem = (Get-Item $item).FullName.TrimEnd("\")
if ([String]::Compare($normalizedItem, $normalizedBinPath, $true) -eq 0) {
$alreadyExists = $true
break
}
}
catch {
# パースエラーを無視
}
}
if (-not $alreadyExists) {
Write-Host $MSG.ADDING_PATH
$newPath = $machinePath + ";" + $normalizedBinPath
[System.Environment]::SetEnvironmentVariable("Path", $newPath, "Machine")
Write-Host $MSG.PATH_ADDED
}
else {
Write-Host $MSG.PATH_EXISTS
}
}
catch {
Write-Error ($ERR.PATH_UPDATE + $_.Exception.Message)
exit 1
}
# 6) 一時ファイルの削除
try {
Write-Host ""
Write-Host $MSG.CLEANING
if (Test-Path $tempZip) {
Remove-Item $tempZip -Force
}
if (Test-Path $tempExtractDir) {
Remove-Item $tempExtractDir -Recurse -Force
}
Write-Host $MSG.CLEANED
}
catch {
Write-Warning $ERR.CLEANUP_WARN
}
Write-Host ""
Write-Host $MSG.END
Write-Host $MSG.RESTART
Write-Host ""
WSL環境でのFFmpegインストール
WSLとは何か
- Windows Subsystem for Linux の略称
- Windows上で動作する Linux環境
- Windows本体とは別の独立した環境として動作
- つまり、WindowsにインストールしたFFmpegはWSL内からは利用できない
WSLでのFFmpegインストール方法
- WSLはLinux環境なので、Linuxのコマンドでインストール
- Ubuntu等の場合、以下のコマンドで簡単にインストール可能:
sudo apt update
sudo apt install ffmpeg
- インストールの確認:
ffmpeg -version
Windows版とWSL版の使い分け
- Windows上のアプリケーション用:Windows版をインストール
- WSL上での開発用:WSL版をインストール
- 両方の環境で開発する場合:それぞれの環境に個別にインストール
重要な注意点
- Windows版とWSL版は完全に独立している
- それぞれの環境で別々にインストールが必要
- 片方のインストールでは、もう片方の環境では使用できない
このように、WSLはWindows上で動作するものの、実質的には別のコンピュータのように考えることができます。そのため、FFmpegのインストールも環境ごとに個別に行う必要があるのです。
環境変数の検索順序や仕組みは昔から一貫しており、現在も同じ考え方が適用されています。Windowsにおける環境変数の挙動については、以下のポイントが参考になります。
環境変数の検索順序の仕組み
環境変数の「Path」には、実行可能ファイルを探すディレクトリが登録されています。この仕組みはWindowsの初期の頃からほぼ変わらず存在しています。
- 検索の順序
- Pathに登録されたディレクトリは、上から順番に検索されます。
- 最初に該当するファイルが見つかったディレクトリのものが実行されます。
- これにより、複数のバージョンが存在する場合、上位にあるものが優先されます。
- 同じ名前のコマンドが複数ある場合の影響
- 例えば、FFmpegが複数のフォルダにインストールされ、それぞれPathに登録されている場合、上位のパスに登録されているバージョンが使われます。
- このため、間違ったバージョンが実行されることがあります。
昔からの仕様か?
この検索順序の仕様は、MS-DOSの時代から続いている古い仕組みです。以下のような流れで進化してきました:
- MS-DOS時代(1980年代)
- Path変数は存在し、システムは登録された順に実行可能ファイルを探していました。
- 当時はシンプルなシステムで、現在のWindowsに比べてPathの管理が容易でした。
- Windows 95/98時代
- GUIが進化し、環境変数を簡単に設定できる「システムプロパティ」が導入されました。
- この頃から複数バージョンのソフトが混在する問題が見え始めました(例: 複数のコンパイラやツール)。
- Windows NT/2000以降
- 現在の環境変数の仕組みが完成。Pathの設定画面が提供され、ユーザーごと・システム全体のPathを分けられるようになりました。
- ただし、検索順序自体は変更されず、上位優先の仕様が維持されています。