Webサイトを運用する際、サーバー設定やデータベース管理は頭の痛い問題です。しかし、手動で行うとミスも多く、手間がかかるのが現実です。そんなとき、Dockerとdocker-compose.yml
を使えば、すべてのセットアップを自動化し、管理もシンプルにできます。
WordPressとMySQLの環境構築、さらには定期的なバックアップまで、すべてこの一つのファイルで解決。バックアップのために煩雑なコマンド入力や設定変更を行う必要はありません。この docker-compose.yml
は、数回のコマンド入力だけで、サイトを構築・保守しながら、データの安全性を確保する強力なツールです。
このWordPress環境の便利な機能を箇条書きでまとめると、以下のようになります。
- 移行用のバックアップ機能: データベースを自動バックアップし、いつでも移行や復元が可能。
- 自動的なWordPressコアの更新: コンテナの再起動時に、WordPressのコアファイルを自動的に最新バージョンに更新。
- データの永続化:
wp-content
ディレクトリやデータベースがホスト側に永続化されているため、コンテナの再起動や更新時でもカスタマイズやコンテンツが保持される。 - 日本語対応のWordPressを自動セットアップ: 日本語版WordPressを自動的にダウンロード・セットアップし、手間なく日本語環境を構築。ほかの言語にも変更可能な複数言語対応。ユーザーのニーズに応じて、言語バージョンを自動的に選択してインストールできます。
- 管理しやすいログ機能: Apacheのログをホスト側に保存する設定により、コンテナ外から簡単にアクセスしてエラーログなどを確認可能。
- 自動バックアップのスケジューリング: MySQLのデータベースを毎日自動バックアップし、重要なデータの損失リスクを減らす。自動化されているため、手動操作なしで定期的にバックアップが保存されます。
- コンテナのスムーズな更新プロセス: WordPressやMySQLイメージを簡単に更新でき、しかも再ビルドも自動化されています。コンテナのビルドから再起動までのプロセスがスムーズで、初心者でも簡単に最新の環境を保持できます。
- 簡単な環境変数の管理: 環境変数の設定がシンプルで、WordPressやMySQLの接続設定を一元管理でき、柔軟に環境を変更できる点。
これから紹介するのは、WordPressを手軽にデプロイし、さらにデータベースのバックアップも自動で行えるよう設計された docker-compose.yml
です。サーバー移行時も、簡単にサイトとデータを復旧できる安心の仕組みです。
4つのファイルとphp.iniが果たす役割と配置の手順
このプロジェクトで使用する4つのファイルとphp.iniは、それぞれが重要な役割を果たしており、適切にディレクトリに配置することで、効率的にWordPress環境を構築できます。以下は各ファイルの目的と配置方法です。自分はホームディレクトリに適当なディレクトリを作成し、そこに配置しました。
以下は、ホームディレクトリの下に youtube
ディレクトリがあり、その中に5つのファイルがある構成をアスキーアートで示した例です。
/home/ユーザー名/
└── youtube/
├── docker-compose.yml
├── Dockerfile
├── .env
├── php.ini
└── entrypoint.sh
各ファイルの説明:
- docker-compose.yml: WordPressやMySQLなど、複数のコンテナを定義するファイル。
- Dockerfile: コンテナ内での設定や必要なパッケージを定義するファイル。
- .env: 環境変数を定義するファイル(例:データベースのユーザー名やパスワード)。
- php.ini: PHPの設定ファイル(アップロード制限やタイムゾーンの指定などを行います)。
- entrypoint.sh: コンテナ起動時に実行されるスクリプト。
docker-compose.yml
- 目的: 複数のDockerコンテナ(WordPressやMySQLなど)を一括で管理するためのファイルです。このファイルには、コンテナの設定、ネットワーク、ボリュームなどが定義されています。
- 主な役割: WordPressのWebサーバーとデータベース、さらにバックアップサービスを自動で起動・管理し、効率的に環境をセットアップします。
- 配置: プロジェクトのルートディレクトリに配置し、
docker-compose up -d
で環境を起動します。
.env
- 目的: 環境変数を管理するファイルです。データベースのユーザー名やパスワード、データベース名などの重要な設定を外部化して、セキュリティを保ちつつ簡単に設定を変更できます。
- 主な役割: 環境設定を簡潔にし、異なる環境への移行を容易にします。
.env
ファイルを修正することで、各サービスの設定を動的に変更可能です。 - 配置:
docker-compose.yml
と同じディレクトリに配置します。
Dockerfile
- 目的: WordPressのカスタム環境を作成するためのファイルです。特定のPHP設定や追加パッケージのインストールなど、WordPressを動作させるための基盤をカスタマイズします。
- 主な役割: カスタマイズされたWordPress環境を自動で構築し、ビルドを簡単にします。
- 配置:
docker-compose.yml
と同じディレクトリに配置します。
entrypoint.sh
- 目的: コンテナ起動時に自動で実行されるスクリプトです。このスクリプトでは、WordPressの初期設定やファイルのコピー、データベース接続の設定が行われます。
- 主な役割: WordPress環境の初期化を自動化し、コンテナが正常に起動できるようにします。特にデータベースの設定やファイルのコピーを効率化します。
- 配置:
Dockerfile
内で参照される位置に配置します(例えば/usr/local/sbin/entrypoint.sh
など)。実はこのファイルは他の3つのファイルと同じ場所に配置しても問題はありません。理由を以下に示します。
1. Dockerfile での参照
Dockerfile
において、COPY
やADD
コマンドを使ってentrypoint.sh
をコンテナ内部にコピーしている場合、ホスト側のファイルパスを正しく指定していれば、どこにファイルが置かれていても、問題なくコンテナ内にコピーされます。- 例えば、
Dockerfile
の中に以下のような記述があると、ホスト側のディレクトリにあるentrypoint.sh
がコンテナ内の/usr/local/sbin/entrypoint.sh
にコピーされます。
COPY entrypoint.sh /usr/local/sbin/entrypoint.sh
RUN chmod +x /usr/local/sbin/entrypoint.sh
この記述で、コンテナが起動する際に、entrypoint.sh
が正しく実行されます。
2. docker-compose.yml での指定
docker-compose.yml
では、Dockerfile
をビルドする際に、build
オプションでコンテキストを指定しています。このコンテキストとは、Dockerfile
が存在するディレクトリ(つまり、docker-compose.yml
と同じディレクトリ)を意味します。これにより、Dockerfile
の中で指定されたファイル(entrypoint.sh
など)も同じディレクトリから参照されるため、問題なく動作します。docker-compose.yml
に以下のような設定がされている場合、Dockerfile
内で指定したファイルを正しく処理します。
services:
wordpress:
build:
context: .
dockerfile: Dockerfile
container_name: wordpress
restart: unless-stopped
volumes:
- ./wordpress:/var/www/html
ここで context: .
というのは、docker-compose.yml
が存在するディレクトリがビルドのコンテキストとして指定されていることを意味します。
3. ファイルの配置と参照の仕組み
- Dockerは、ホストマシン上のファイルをコンテナ内にコピーするか、マウントして利用するため、ホスト側にある
entrypoint.sh
が正しく配置され、Dockerfile
やdocker-compose.yml
で適切に参照されている限り、ホスト上のどのディレクトリにファイルがあっても問題なく動作します。
これらのファイルを適当なディレクトリに配置し、コマンドを実行するだけで、WordPress環境の構築が簡単にでき、データの管理やバックアップも自動化されます。
以下に docker-compose.yml
の内容を示し、それぞれの設定や構成について順を追って説明します。
version: '3.7'
services:
wordpress:
build:
context: .
dockerfile: Dockerfile
container_name: wordpress
restart: unless-stopped
ports:
- "8888:80"
environment:
- WORDPRESS_DB_HOST
- WORDPRESS_DB_USER
- WORDPRESS_DB_PASSWORD
- WORDPRESS_DB_NAME
volumes:
- ./php.ini:/usr/local/etc/php/conf.d/php.ini
- ./wordpress:/var/www/html # WordPressのファイルをホストに永続化
- ./logs/apache2:/var/log/apache2 # ログファイルの外部マウント
db:
image: mysql:latest
container_name: wordpress-db
restart: always
environment:
- MYSQL_DATABASE
- MYSQL_USER
- MYSQL_PASSWORD
- MYSQL_ROOT_PASSWORD
volumes:
- ./db_data:/var/lib/mysql # MySQLデータを永続化
wpsql:
image: mysql:latest
container_name: wpsql
depends_on:
- db
environment:
MYSQL_HOST: db
MYSQL_USER: ${MYSQL_USER}
MYSQL_PASSWORD: ${MYSQL_PASSWORD}
volumes:
- ./backup:/backup # バックアップ用のディレクトリ
command: >
/bin/bash -c "
while ! mysqladmin ping -h \"$$MYSQL_HOST\" --silent; do
sleep 1;
done;
while true; do
echo 'Starting backup...';
MYSQL_PWD=$$MYSQL_PASSWORD mysqldump -h $$MYSQL_HOST -u $$MYSQL_USER ${MYSQL_DATABASE} > /backup/${MYSQL_DATABASE}_backup.sql;
echo 'Backup complete.';
sleep 86400;
done"
restart: on-failure
volumes:
db_data: {}
backup: {} # バックアップ用ボリュームを追加
1. WordPressサービス
build
:context: .
は、Dockerfile
を使用してカスタムのWordPressイメージをビルドすることを示します。container_name
: コンテナ名は「wordpress」で、簡単に識別できるようになっています。ports
: ホストのポート8888をコンテナのポート80にマッピングし、外部からWebアクセスが可能です。environment
: データベースのホスト名、ユーザー名、パスワード、データベース名が環境変数として設定されています。volumes
:./php/php.ini
をコンテナのPHP設定ファイルにマウントし、PHP設定をカスタマイズ。./wordpress
を/var/www/html
にマウントし、WordPressファイルをホスト側で永続化。./logs/apache2
でApacheのログを外部に保存。
2. データベースサービス (db)
image
: MySQLの最新イメージを使用して、データベースを提供します。container_name
: データベースのコンテナ名は「wordpress-db」。volumes
:./db_data
をMySQLのデータディレクトリにマウントし、データを永続化。
3. バックアップサービス (wpsql)
container_name
: このコンテナは「wpsql」という名前で、MySQLデータベースのバックアップを自動で取得します。volumes
:./backup
ディレクトリに.sql
ファイルとしてデータベースのバックアップを保存。command
: バックアップの処理は毎日実行され、86400秒(24時間)ごとにデータベースをダンプし、バックアップを取得します。
4. ボリュームの永続化
db_data
: データベースの永続化。backup
: データベースバックアップを保存する場所。
この docker-compose.yml
により、WordPressとMySQLを自動で設定し、さらにデータベースのバックアップも取得できる構成となっています。データベースを拡張子.sqlでバックアップしておくことで移行が楽になります。
.env ファイルの内容と説明:
# WordPressの設定
WORDPRESS_DB_HOST=db
WORDPRESS_DB_USER=exampleuser
WORDPRESS_DB_PASSWORD=examplepass
WORDPRESS_DB_NAME=exampledb
# MySQLの設定
MYSQL_DATABASE=exampledb
MYSQL_USER=exampleuser
MYSQL_PASSWORD=examplepass
MYSQL_ROOT_PASSWORD=rootpassword
.env
ファイルは、Docker環境の設定を外部化して管理するための非常に重要なファイルです。このファイルに設定された情報は、docker-compose.yml
の中で参照され、各サービス(WordPressやMySQL)の設定が動的に行われます。
1. WordPressの設定
WORDPRESS_DB_HOST=db
- 説明: WordPressが接続するデータベースのホスト名を指定します。ここでは、データベースサービス名「db」がホスト名として使われます。
WORDPRESS_DB_USER=exampleuser
- 説明: WordPressがデータベースにアクセスするためのユーザー名です。ここでは
exampleuser
というユーザーが設定されています。
- 説明: WordPressがデータベースにアクセスするためのユーザー名です。ここでは
WORDPRESS_DB_PASSWORD=examplepass
- 説明: WordPressがデータベースにアクセスする際のパスワードです。ここでは
examplepass
というパスワードが設定されています。
- 説明: WordPressがデータベースにアクセスする際のパスワードです。ここでは
WORDPRESS_DB_NAME=exampledb
- 説明: WordPressが利用するデータベース名を指定します。ここでは
exampledb
というデータベース名が設定されています。
- 説明: WordPressが利用するデータベース名を指定します。ここでは
2. MySQLの設定
MYSQL_DATABASE=exampledb
- 説明: 作成されるMySQLのデータベース名です。このデータベースに対して、WordPressがデータを保存します。
MYSQL_USER=exampleuser
- 説明: データベースにアクセスするMySQLのユーザー名です。
exampleuser
として設定されています。
- 説明: データベースにアクセスするMySQLのユーザー名です。
MYSQL_PASSWORD=examplepass
- 説明: MySQLのユーザーに対するパスワードです。このパスワードでデータベースへのアクセスが保護されます。
MYSQL_ROOT_PASSWORD=rootpassword
- 説明: MySQLの管理者(root)ユーザー用のパスワードです。データベースの全体管理に使用されます。
.env ファイルの役割:
この .env
ファイルを使うことで、データベース名やユーザー名、パスワードといった重要な情報を1箇所で管理し、環境の違いに応じて簡単に設定を変更できるようになります。
Dockerfile の内容と説明:
FROM wordpress:latest
# UIDとGIDをホストの環境に合わせて設定
ARG UID=1000
ARG GID=1000
RUN usermod -u ${UID} www-data && groupmod -g ${GID} www-data
# /var/log/apache2 の作成と権限設定
RUN mkdir -p /var/log/apache2 && chown -R www-data:www-data /var/log/apache2
# htmlディレクトリの作成と所有権設定
RUN mkdir -p /var/www/html && chown -R www-data:www-data /var/www/html
# 必要なパッケージをインストール
RUN apt-get update && apt-get install -y \
mariadb-client \
wget \
unzip \
rsync \
&& apt-get clean \
&& rm -rf /var/lib/apt/lists/*
# entrypoint.sh を設定
COPY entrypoint.sh /usr/local/sbin/entrypoint.sh
RUN chmod +x /usr/local/sbin/entrypoint.sh
# ServerName を追加
RUN echo "ServerName localhost" >> /etc/apache2/apache2.conf
ENTRYPOINT ["/usr/local/sbin/entrypoint.sh"]
Dockerfile
は、カスタムのWordPress環境を作成するために使用される設定ファイルです。このファイルには、WordPressを正しく動作させるために必要なコマンドやパッケージ、設定が含まれています。以下に、各部分の説明を行います。
FROM wordpress:latest
- 説明: これはベースとなるDockerイメージを指定しています。
wordpress:latest
を使って、最新のWordPressイメージを基に環境を構築します。
# UIDとGIDをホストの環境に合わせて設定
ARG UID=1000
ARG GID=1000
RUN usermod -u ${UID} www-data && groupmod -g ${GID} www-data
- 説明: この部分では、ホスト側のユーザーID(UID)とグループID(GID)に合わせて、コンテナ内の
www-data
ユーザーとグループのIDを設定します。これをすることで、ファイルの権限や所有権の問題を回避できます。ホストでわざわざ所有権の変更をする必要がないようにしています。
# /var/log/apache2 の作成と権限設定
RUN mkdir -p /var/log/apache2 && chown -R www-data:www-data /var/log/apache2
- 説明: Apacheのログを保存するディレクトリ
/var/log/apache2
を作成し、その所有権をwww-data
ユーザーに設定します。これにより、Apacheのログ出力が正しく行われるようになります。
# htmlディレクトリの作成と所有権設定
RUN mkdir -p /var/www/html && chown -R www-data:www-data /var/www/html
- 説明: WordPressのHTMLファイルが配置される
/var/www/html
ディレクトリを作成し、その所有権をwww-data
ユーザーに設定します。これで、WordPressのファイル操作が正しく行われます。
必要なパッケージのインストールと最適化
RUN apt-get update && apt-get install -y \
mariadb-client \
wget \
unzip \
&& apt-get clean \
&& rm -rf /var/lib/apt/lists/*
1. パッケージのインストール
- 説明: MariaDBクライアント、
wget
、unzip
など、必要なパッケージをインストールします。これらをインストールしないと正常に動作しなかったので追加しました。WordPressとMySQLの連携が可能になり、さらにファイルのダウンロードや解凍機能が提供されます。
2. apt-get clean
- 説明: パッケージマネージャー
apt-get
がキャッシュとして保持しているパッケージファイルを削除します。極力、不要なキャッシュファイルがディスクに残らないようにします。 - 目的: キャッシュをクリアして、Dockerイメージのサイズを削減します。これは、イメージを軽量に保ち、効率的に運用するための重要なステップです。
3. rm -rf /var/lib/apt/lists/*
- 説明:
apt-get
が保持するパッケージリスト(インデックスファイル)を削除します。これにより、これ以上必要ないリストを消去します。 - 目的: パッケージリストはインストール後に不要なので、これを削除することでイメージサイズをさらに縮小し、効率的な運用を可能にします。
なぜ重要なのか?
Dockerイメージは軽量であるほど、デプロイや転送が効率的になります。無駄なファイルを削除することで、以下のメリットがあります:
- イメージサイズの削減: キャッシュやリストを削除することで、イメージがコンパクトになり、デプロイ時の転送やディスクスペースの使用を抑えます。
- パフォーマンスの向上: 小さなイメージは、コンテナの起動やダウンロードが速くなり、運用がスムーズになります。
このコマンドは、システムのクリーンアップと効率化を図るために非常に効果的です。
# entrypoint.sh を設定
COPY entrypoint.sh /usr/local/sbin/entrypoint.sh
RUN chmod +x /usr/local/sbin/entrypoint.sh
- 説明: ホスト側にある
entrypoint.sh
スクリプトをコンテナ内の/usr/local/sbin/entrypoint.sh
にコピーし、実行権限を付与しています。このスクリプトは、コンテナ起動時にWordPressの初期設定を自動で行う重要な役割を果たします。
# ServerName を追加
RUN echo “ServerName localhost” >> /etc/apache2/apache2.conf
- 説明: Apacheの設定ファイルに
ServerName localhost
を追加し、サーバー名に関する警告を回避します。
ENTRYPOINT [“/usr/local/sbin/entrypoint.sh”]
- 説明: コンテナが起動するときに実行されるスクリプトを指定しています。ここでは
entrypoint.sh
が実行され、WordPressの設定や初期化が行われます。
この Dockerfile
によって、WordPressとMySQLの環境が正しく構築され、さらに必要なパッケージや権限の設定が行われます。特に entrypoint.sh
を使って、コンテナ起動時に自動的に初期設定が行われるのが特徴です。
entrypoint.sh の内容と説明:
#!/bin/bash
set -e
echo "entrypoint.sh スクリプトを開始します..."
# HTMLディレクトリの権限を設定
echo "htmlディレクトリの権限を設定中..."
chown -R www-data:www-data /var/www/html || { echo "権限の設定に失敗しました"; exit 1; }
chmod -R 755 /var/www/html || { echo "権限の変更に失敗しました"; exit 1; }
# wp-config.phpが存在しない場合はWordPressファイルをコピー
if [ ! -f /var/www/html/wp-config.php ]; then
echo "wp-config.php が存在しません。WordPressファイルを初回のみコピーします。"
cp -rv /usr/src/wordpress/* /var/www/html/ || { echo "ファイルのコピーに失敗しました"; exit 1; }
# wp-config-sample.php を wp-config.php にリネーム
if [ -f /var/www/html/wp-config-sample.php ]; then
echo "wp-config-sample.php を wp-config.php にリネームします。"
mv /var/www/html/wp-config-sample.php /var/www/html/wp-config.php || { echo "ファイルのリネームに失敗しました"; exit 1; }
fi
fi
# 日本語版WordPressのダウンロードと展開
if [ ! -d /var/www/html/wp-content/languages ]; then
echo "日本語版WordPressをダウンロードしています..."
if ! wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.zip -O /tmp/latest-ja.zip; then
echo "ダウンロードに失敗しました"
exit 1
fi
echo "日本語版WordPressを解凍しています..."
if ! unzip /tmp/latest-ja.zip -d /tmp/wordpress-ja; then
echo "解凍に失敗しました"
exit 1
fi
echo "日本語版WordPressファイルをコピーしています..."
cp -rv /tmp/wordpress-ja/wordpress/* /var/www/html/ || { echo "ファイルのコピーに失敗しました"; exit 1; }
fi
# WordPressのコアファイルを最新に更新
echo "WordPressコアファイルを更新しています..."
if ! wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.zip -O /tmp/latest-ja.zip; then
echo "WordPressコアファイルのダウンロードに失敗しました"
exit 1
fi
if ! unzip -o /tmp/latest-ja.zip -d /tmp/wordpress-ja; then
echo "WordPressコアファイルの解凍に失敗しました"
exit 1
fi
# wp-contentディレクトリを除外してコアファイルを上書きコピー
rsync -a --exclude 'wp-content' /tmp/wordpress-ja/wordpress/ /var/www/html/ || { echo "WordPressコアファイルのコピーに失敗しました"; exit 1; }
# 環境変数を wp-config.php に適用
if [ -f /var/www/html/wp-config.php ]; then
echo "環境変数を wp-config.php に適用します。"
sed -i "s/database_name_here/${WORDPRESS_DB_NAME}/" /var/www/html/wp-config.php
sed -i "s/username_here/${WORDPRESS_DB_USER}/" /var/www/html/wp-config.php
sed -i "s/password_here/${WORDPRESS_DB_PASSWORD}/" /var/www/html/wp-config.php
sed -i "s/localhost/${WORDPRESS_DB_HOST}/" /var/www/html/wp-config.php
fi
echo "/var/www/html の内容:"
ls -la /var/www/html
echo "entrypoint.sh スクリプトを終了します。"
exec apache2-foreground
entrypoint.sh
は、コンテナ起動時に自動的に実行されるスクリプトで、WordPressの初期設定やデータベースとの接続を簡単に行うために使用されます。このスクリプトは、主に権限設定やファイルのコピー、WordPressの環境設定を自動で処理するためのものです。以下に、各部分の説明を行います。WordPressのコアファイルの更新については後ほど説明します。
#!/bin/bash
set -e
- 説明: スクリプトの冒頭で
set -e
を使用しています。これは、スクリプト内でエラーが発生した場合に即座に処理を中断する設定です。これにより、エラーが見逃されることなく、安全にスクリプトが実行されます。
echo “entrypoint.sh スクリプトを開始します…”
- 説明: スクリプトの開始を知らせるメッセージです。ログに記録され、スクリプトの実行状況が確認できるようになります。
# HTMLディレクトリの権限を設定
echo “htmlディレクトリの権限を設定中…”
chown -R www-data:www-data /var/www/html || { echo “権限の設定に失敗しました”; exit 1; }
chmod -R 755 /var/www/html || { echo “権限の変更に失敗しました”; exit 1; }
- 説明:
/var/www/html
ディレクトリに対して、所有者とグループをwww-data
に設定し、適切なファイルの権限を与えます。これで、WordPressが正しく動作するためのファイルアクセス権が設定されます。
# wp-config.phpが存在しない場合はWordPressファイルをコピー
if [ ! -f /var/www/html/wp-config.php ]; then
echo “wp-config.php が存在しません。WordPressファイルを初回のみコピーします。”
cp -rv /usr/src/wordpress/* /var/www/html/ || { echo “ファイルのコピーに失敗しました”; exit 1; }
# wp-config-sample.php を wp-config.php にリネーム
if [ -f /var/www/html/wp-config-sample.php ]; then
echo “wp-config-sample.php を wp-config.php にリネームします。”
mv /var/www/html/wp-config-sample.php /var/www/html/wp-config.php || { echo “ファイルのリネームに失敗しました”; exit 1; }
fi
fi
- 説明:
wp-config.php
が存在しない場合、WordPressの初期設定ファイルをコピーし、wp-config-sample.php
をwp-config.php
にリネームします。この記述で、WordPressが初めて動作する際の設定ファイルを生成します。
# 日本語版WordPressのダウンロードと展開
if [ ! -d /var/www/html/wp-content/languages ]; then
echo “日本語版WordPressをダウンロードしています…”
if ! wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.zip -O /tmp/latest-ja.zip; then
echo “ダウンロードに失敗しました”
exit 1
fi
echo “日本語版WordPressを解凍しています…”
if ! unzip /tmp/latest-ja.zip -d /tmp/wordpress-ja; then
echo “解凍に失敗しました”
exit 1
fi
echo “日本語版WordPressファイルをコピーしています…”
cp -rv /tmp/wordpress-ja/wordpress/* /var/www/html/ || { echo “ファイルのコピーに失敗しました”; exit 1; }
fi
- 説明: 日本語版のWordPressがまだインストールされていない場合に、日本語版をダウンロードし、解凍してファイルを
/var/www/html
にコピーします。ここで、URL(https://ja.wordpress.org/latest-ja.zip)を変更することで、WordPressの多言語対応が容易になります。例えば、WordPressの公式サイトから各国の最新版を取得できます。例えば、以下のようなURLが考えられます。実際には確認していませんが以下のようなURLがあると予想できます。
英語(デフォルト): https://wordpress.org/latest.zip
フランス語: https://fr.wordpress.org/latest-fr.zip
ドイツ語: https://de.wordpress.org/latest-de_DE.zip
スペイン語: https://es.wordpress.org/latest-es_ES.zip
ユーザーのニーズに合わせてリンクを変更することで、適切な言語バージョンのWordPressを簡単にインストールできるようになります。
# 環境変数を wp-config.php に適用
if [ -f /var/www/html/wp-config.php ]; then
echo “環境変数を wp-config.php に適用します。”
sed -i “s/database_name_here/${WORDPRESS_DB_NAME}/” /var/www/html/wp-config.php
sed -i “s/username_here/${WORDPRESS_DB_USER}/” /var/www/html/wp-config.php
sed -i “s/password_here/${WORDPRESS_DB_PASSWORD}/” /var/www/html/wp-config.php
sed -i “s/localhost/${WORDPRESS_DB_HOST}/” /var/www/html/wp-config.php
fi
- 説明:
wp-config.php
ファイルに、.env
などで定義された環境変数を適用します。これにより、WordPressとデータベースの接続情報が動的に設定され、正しく動作するようになります。
echo “/var/www/html の内容:”
ls -la /var/www/html
- 説明:
/var/www/html
ディレクトリ内のファイルとディレクトリの一覧を表示し、正しくファイルがコピーされているかを確認します。
echo “entrypoint.sh スクリプトを終了します。”
exec apache2-foreground
- 説明: スクリプトが正常に終了したことを示すメッセージです。その後、Apacheをフォアグラウンドで実行して、Webサーバーを起動します。
entrypoint.sh
スクリプトは、WordPressの初期設定やファイルのコピー、データベース接続の設定などを自動で行い、コンテナ起動時にスムーズにWordPress環境を整える役割を果たします。ですので、手動で設定を行う必要がなく、初期化が迅速に行われます。
php.ini ファイルの設定と配置について
WordPressの環境をセットアップする際に、PHPの設定ファイルである php.ini
を用意しておくことが重要です。この php.ini
ファイルは、PHPの動作を制御する重要な設定を含んでいます。
まず、docker-compose.yml
や Dockerfile
と同じディレクトリに php.ini
ファイルを配置します。実際にはすでに用意しておきました。これで、簡単に管理でき、設定の変更がすぐに反映されるようになります。
1. php.ini
の例
以下は、php.ini
の基本的な設定例です。特に post_max_size
、upload_max_filesize
、date.timezone
の設定は、ファイルアップロードや日時処理に影響しますので、自分の環境に合わせて調整してください。この記事のphp.ini
ではすぐにサイズの大きいテーマなどを扱えるように、以下のところを調整してあります。
; ファイルのアップロード制限
post_max_size = 64M
upload_max_filesize = 200M
; タイムゾーンの設定
date.timezone = “Asia/Tokyo”
post_max_size
: POSTリクエストで送信できる最大データ量です。例えば、フォームでのファイルアップロードなどに影響します。ここでは64MBに設定されていますが、必要に応じて値を変更してください。upload_max_filesize
: アップロードできるファイルの最大サイズです。大きなファイルを扱う場合、この値を増やすことが必要です。date.timezone
: PHPが使用するタイムゾーンの設定です。Asia/Tokyo
に設定していますが、自分の地域に合わせて変更してください(例: アメリカの場合はAmerica/New_York
など)。
2. 環境に合わせて設定を変更する
PHPの設定は、環境によって最適な値が異なります。上記の post_max_size
や upload_max_filesize
のサイズ、date.timezone
などは、自分の作業環境やプロジェクトの要件に合わせて変更してください。
- ファイルアップロードの制限: 大きなファイルをアップロードする必要がある場合は、
upload_max_filesize
を増やすと良いでしょう。 - タイムゾーン: サーバーのタイムゾーンとPHPのタイムゾーンが一致していることを確認しましょう。これにより、日時関連の操作が正確に行われます。
3. docker-compose.yml
でのマウント設定
php.ini
をコンテナ内で正しく反映させるために、以下のように前述の docker-compose.yml
内でマウントしてあります。
services:
wordpress:
volumes:
– ./php.ini:/usr/local/etc/php/conf.d/php.ini # php.iniファイルをマウント
これで、php.ini
の設定がコンテナ内で使用され、すぐに反映されます。
Dockerコンテナの立ち上げ方法
ここでは、WordPressの環境をDockerで立ち上げる方法を、初心者の方でも簡単にできるように説明します。この手順に従えば、すぐにWordPressを動かせるようになります。
1. 準備するもの
- DockerとDocker Composeがインストールされているパソコン
docker-compose.yml
ファイルが用意されている(これはWordPressの環境を定義したファイルです)php.ini
ファイル(PHPの設定ファイル)Dockerfile
entrypoint.sh
.env
2. 手順1: Docker Composeの設定ファイルを確認
最初に、docker-compose.yml
ファイルを確認します。docker-compose.yml
には、WordPressやMySQLなどの設定が含まれており、このファイルを使ってコンテナを立ち上げます。
docker-compose.yml
の内容はこんな感じです。本来は上で示したファイルをそのまま使用すれば問題ありません。
services:
wordpress:
image: wordpress:latest
ports:
- "8888:80"
volumes:
- ./php.ini:/usr/local/etc/php/conf.d/php.ini
db:
image: mysql:5.7
environment:
MYSQL_ROOT_PASSWORD: rootpassword
3. 手順2: コンテナの立ち上げ
Docker Composeを使って、コンテナを立ち上げる手順はとても簡単です。次の2つのコマンドだけでOKです。
- コンテナイメージをビルド(必要なファイルを準備)ターミナルやコマンドプロンプトを開いて、
docker-compose.yml
があるディレクトリに移動します。次のコマンドを実行します。docker-compose build
- 何が起きるの?
このコマンドを実行すると、Dockerは必要なコンテナ(WordPressやMySQL)を作成します。しばらく待つと、コンテナの準備が完了します。 docker compose build
は、docker-compose.yml
ファイルに定義されている**build
セクション**を基に、指定されたDockerfileを使ってイメージをビルドします。例えば、以下のように指定されている場合:
services:
wordpress:
build:
context: .
dockerfile: Dockerfilecontext: .
:ビルドのためのコンテキストディレクトリ(通常はDockerfileが存在するディレクトリ)を指定しています。コンテキストディレクトリ内のファイルやディレクトリは、Dockerイメージをビルドする際に参照されます。dockerfile: Dockerfile
:ビルドのために使うDockerfileを指定しています。このDockerfileに従ってコンテナの中身が構築されます。
Dockerfile内の命令に従って、ステップごとにイメージが構築されます。各命令(FROM
、RUN
、COPY
など)は、独立したレイヤーとして構築され、それぞれがキャッシュされます。
例えば:FROM wordpress:latest
:WordPressの最新イメージをベースとして使用。RUN apt-get update && apt-get install
:必要なパッケージをインストール。COPY entrypoint.sh
:ホスト側のファイルをコンテナ内にコピー。
- 何が起きるの?
- ビルドプロセスでは、キャッシュが利用されます。もし以前に同じステップでビルドされたことがあれば、そのステップを再度実行するのではなく、キャッシュされた結果を利用してビルドを高速化します。ただし、
--no-cache
オプションを指定すると、キャッシュは使わず、毎回すべてのステップが再実行されます。docker compose build --no-cache
docker-compose.yml
ファイル内で定義されているすべてのサービスについてビルドが行われます。たとえば、WordPressサービスやMySQLサービスが含まれている場合、それぞれが別々にビルドされます。- ビルドが完了すると、ローカルに新しいDockerイメージが作成されます。このイメージは、
docker compose up
コマンドを実行することで、コンテナとして起動されます。つまり、docker compose build
コマンドは、Dockerfileの指示に従ってイメージを構築し、その結果をローカルに保存します。これによって、コンテナが実行可能な状態に準備され、後のdocker compose up
コマンドで実行できるようになります。 - コンテナを起動する
ビルドが完了したら、次のコマンドを実行します。docker-compose up -d
- 何が起きるの?
このコマンドを実行すると、WordPressとMySQLの環境がバックグラウンドで起動します。起動後、ブラウザでhttp://localhost:8888
にアクセスすると、WordPressのセットアップ画面が表示されます。
- 何が起きるの?
4. 手順3: コンテナの確認
起動したコンテナがちゃんと動いているかを確認するには、次のコマンドを実行します。
docker ps
- このコマンドで、現在動いているコンテナの一覧が表示され、WordPressやMySQLのコンテナが動作していることが確認できます。
5. 手順4: コンテナの停止
コンテナを停止したいときは、次のコマンドを実行します。
docker-compose down
- すべてのコンテナが停止される:
docker-compose.yml
ファイルで定義されているコンテナがすべて停止します。 - コンテナが削除される:停止されたコンテナがシステムから削除されます。
- ネットワークの削除:
docker-compose.yml
内で作成されたカスタムネットワークも削除されます(もしネットワークが自動で作成されていた場合)。 - オプションでボリュームの削除:もし
docker compose down --volumes
と指定すれば、コンテナと一緒に永続化されているデータボリュームも削除されます。
ただし、イメージ自体は削除されないため、次回のdocker compose up
で再びコンテナが起動します。
docker compose down --volumes
を使うと、ボリュームが削除されるため、マウントされているボリューム内のデータも削除されます。
具体的にいうと:
1. ホスト側のディレクトリにマウントされている場合
- 例:
./db_data:/var/lib/mysql
のようにホスト側にディレクトリがマウントされている場合、docker compose down --volumes
を実行しても、ホスト側にある./db_data
ディレクトリ内のデータは削除されません。 - ボリュームは削除されますが、ホスト側のデータは残るので、次にコンテナを立ち上げてもそのデータを再利用できます。
2. ボリュームのみの場合
- もしホスト側にマウントされておらず、純粋にDockerのボリュームのみでデータを永続化している場合(
volumes
で指定しただけのケース)、**docker compose down --volumes
**を実行すると、そのボリュームが削除され、データベースのデータも削除されます。 - この場合、次回コンテナを立ち上げる際にデータが残らないため、データが消えることになります。
直前の記事5の4(オプションでボリュームの削除)の矛盾に関して:
docker compose down --volumes
では、ボリューム自体を削除しますが、この「ボリューム」はDockerが内部で管理するデータの保存領域を指します。- 一方で、ホスト側のディレクトリにマウントされている場合は、ホスト上のファイルシステムに直接保存されているため、コンテナやボリュームを削除してもホスト側のデータは削除されません。
例で比較:
それぞれの記述がどう違うのかを、もう少し分かりやすく説明します。
1. ホスト側にディレクトリをマウントする場合(./db_data:/var/lib/mysql)
services:
db:
volumes:
- ./db_data:/var/lib/mysql
この記述は、ホスト側の./db_data
というディレクトリをコンテナ内の**/var/lib/mysql
にマウントしています。つまり、データベースのデータはホスト側のディレクトリに保存**されます。
- ホスト側のディレクトリにデータが保存されるので、コンテナやボリュームを削除しても、ホスト側にデータが残る。
- **
docker compose down --volumes
**を実行しても、**ホスト側のデータ(./db_data
ディレクトリ)**は削除されません。
2. Docker内部のボリュームを使う場合(db_data:/var/lib/mysql)
services:
db:
volumes:
- db_data:/var/lib/mysql
volumes:
db_data:
この記述は、Docker内部で管理されるボリューム(db_data
)をコンテナ内の/var/lib/mysql
にマウントしています。データベースのデータは、ホストのディレクトリではなく、Dockerが管理するボリュームに保存されます。
- ホストのファイルシステムにはデータが保存されないため、Docker内部のボリュームにだけデータが保存されます。
- **
docker compose down --volumes
**を実行すると、ボリュームも削除され、データベースのデータも完全に消えます。
簡単なまとめ:
./db_data:/var/lib/mysql
(ホスト側に保存):- データはホスト側の
./db_data
に保存されるため、コンテナやボリュームを削除してもデータは残る。 docker compose down --volumes
しても、ホスト側のデータは削除されない。
- データはホスト側の
db_data:/var/lib/mysql
(Dockerのボリューム内に保存):- データはDockerの内部ボリューム
db_data
に保存されるため、docker compose down --volumes
でデータも削除される。 - 次回コンテナを立ち上げると、データは消えてしまい、元に戻せません。
- データはDockerの内部ボリューム
結論:
- ホストにデータを保存したい場合は、
./db_data:/var/lib/mysql
のようにホストのディレクトリを使う設定をするべきです。 - Dockerのボリュームだけで管理すると、
docker compose down --volumes
でデータが消えてしまうので注意が必要です。
まとめると、docker compose down
はコンテナの停止と削除、ネットワークの削除を行いますが、イメージは削除されません。
この手順で、WordPressの環境を簡単にDockerで立ち上げることができます。コマンドを実行するだけで、すぐに自分の環境でWordPressを試すことができます。
コンテナの操作は、docker-compose up
で起動し、docker-compose down
で停止するだけですので、初心者の方でも安心して使えます。
コンテナ再起動時にデータは初期化されるのか?
1. 基本的な理解
Dockerコンテナは一時的な環境として動作しますが、適切に設定しておけば、コンテナを再起動してもデータは消えません。例えば、コンテナを停止してから再起動した場合でも、記事やテーマの設定はそのまま保持されます。
2. なぜデータが消えないのか?
データが初期化されない理由は、データの永続化(保存)にあります。docker-compose.yml
では、WordPressのファイルやデータベースのデータをホスト側に保存する設定がされているため、コンテナを再起動してもデータが保持されるのです。
volumes:
- ./wordpress:/var/www/html # WordPressのファイルをホスト側に永続化
- ./db_data:/var/lib/mysql # MySQLデータをホスト側に永続化
- ./wordpress: WordPressのテーマや記事のデータが保存されるディレクトリです。ホスト側に保存されているので、コンテナが再起動してもそのまま保持されます。
- ./db_data: MySQLデータベースのデータが保存されます。これもホスト側に保存されているので、記事のデータが消える心配はありません。
docker compose down --volumes
コマンドでも消えることはありません。
3. 具体例:コンテナの再起動時の動作
コンテナを一度停止して再起動しても、以下のようにデータは保持されます。
- コンテナを停止:
docker-compose down
- コンテナを再起動:
docker-compose up -d
この操作を行っても、ホスト側に保存されたデータがコンテナに自動で再マウントされるため、前回の状態がそのまま維持されます。テーマの変更や投稿した記事もそのまま残ります。
4. データが初期化されるケース
もし初期化されてしまう場合は、以下のようなことが考えられます。
- ボリュームの設定が正しくない:
docker-compose.yml
でデータをホスト側に保存するボリューム設定がされていない場合、データが保持されず、再起動後に初期化されます。 - ホスト側のディレクトリが削除されている: ホスト側に保存されているデータが何らかの理由で削除された場合、再起動時に初期化されることがあります。
Dockerコンテナの再起動時にデータが初期化される心配は、ホスト側にデータを保存する設定がされていれば解決されます。docker-compose.yml
での適切なボリューム設定により、記事やテーマの変更内容がそのまま残りますので、安心してコンテナを再起動できます。
2回目以降に最新のWordPress状態を反映するには?
1. entrypoint.sh
を使った自動更新entrypoint.sh
に追加したスクリプトにより、コンテナの再起動時にWordPressのコアファイルが自動的に最新の状態に更新されます。このスクリプトは、wp-content
ディレクトリを除外して更新するため、テーマやプラグインのカスタマイズが保持され、コンテナを再起動するたびにコアファイルのみが自動的にアップデートされます。
# WordPressコアファイルを最新に更新
echo "WordPressコアファイルを更新しています..."
wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.zip -O /tmp/latest-ja.zip
unzip -o /tmp/latest-ja.zip -d /tmp/wordpress-ja
# wp-contentディレクトリ以外を上書きコピー
rsync -a --exclude 'wp-content' /tmp/wordpress-ja/wordpress/ /var/www/html/
- メリット: コンテナを再起動するだけでWordPressのコアファイルが最新バージョンに自動更新されるため、手動でファイルをダウンロード・コピーする手間が省けます。
- wp-contentディレクトリの保護: カスタマイズされたテーマやプラグインは影響を受けず、更新対象外です。
2. docker pull
と再ビルドdocker pull
を使って最新のWordPressイメージを取得し、docker-compose up
でコンテナを再起動すると、新しいイメージが反映されます。これは、WordPressの最新バージョンを使用できますが、ホスト側にマウントされたファイル(/var/www/html
や wp-content
)は保持されます。
- メリット: WordPressだけでなく、MySQLなど他のコンテナサービスも最新バージョンに更新される可能性があるため、全体的なシステムの更新が行われます。
- 注意点:
docker pull
を行っても、ホスト側にマウントされているWordPressファイルやテーマ、プラグインは上書きされないため、entrypoint.sh
のようなスクリプトでコアファイルを更新する必要があります。
- 自動更新(推奨):
entrypoint.sh
を使って、コンテナの再起動時にWordPressのコアファイルを自動更新できます。wp-content
ディレクトリのテーマやプラグインは保持され、影響を受けません。 - 手動更新: もし自動更新を使わない場合でも、ホスト側のファイルに手動で最新バージョンのWordPressファイルをコピーして更新することが可能です。
1. Dockerイメージの更新
docker pull
コマンドを使うと、Docker Hubやプライベートリポジトリから最新のWordPressイメージが取得されます。これで、ローカルに保存されたイメージが最新のバージョンに更新されますが、以下の点に注意が必要です。
- 新しいバージョンのWordPress: 新しいイメージには、最新のWordPressコアファイルが含まれているため、
docker-compose up
でコンテナを再起動すると、この新しいイメージが使われます。
2. ホストにマウントされたファイルへの影響
docker-compose.yml
でホスト側にボリュームマウントされているファイルやディレクトリは、イメージの更新時には上書きされません。次のように動作します。
- /var/www/html ディレクトリ: このディレクトリがホスト側にマウントされている場合、
docker pull
でイメージを更新しても、ホスト側のファイルは保持されます。そのため、WordPressコアファイルの更新は、ホスト側のファイルには自動的に反映されません。 - wp-content ディレクトリ: テーマやプラグイン、アップロードされた画像などが保存されるこのディレクトリはホスト側に永続化されているため、
docker pull
しても変更されず、カスタマイズや設定が保持されます。
3. entrypoint.sh の動作(WordPressコアの自動更新)
entrypoint.sh
に最新のWordPressコアファイルを自動的に更新するスクリプトが追加されています。コンテナが再起動するたびに、WordPressのコアファイルが最新の状態に自動で更新されます。重要なポイントは、wp-content ディレクトリを除外して更新するため、テーマやプラグインのカスタマイズが失われることはありません。
# WordPressコアファイルを最新に更新
echo "WordPressコアファイルを更新しています..."
wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.zip -O /tmp/latest-ja.zip
unzip -o /tmp/latest-ja.zip -d /tmp/wordpress-ja
# wp-contentディレクトリ以外を上書きコピー
rsync -a --exclude 'wp-content' /tmp/wordpress-ja/wordpress/ /var/www/html/
- wp-contentディレクトリの保護: このスクリプトでは、
rsync
を使ってwp-content
ディレクトリ以外を上書きします。重要なのは、テーマやプラグインなどのカスタマイズされたファイルは安全に保持されることです。
4. 最新のWordPressコアファイルを反映するには?
以下のような方法で最新のWordPressコアファイルを反映できます。
- 自動更新(推奨):
entrypoint.sh
に追加されたスクリプトがコンテナの再起動時に自動で最新のWordPressコアファイルを取得して反映します。これにより、手動でファイルをコピーする必要がなくなります。 - 手動更新: ホスト側の
./wordpress
ディレクトリに最新のWordPressファイルを手動でコピーして、必要に応じて上書きすることも可能です。ただし、wp-content
ディレクトリは保持するように注意が必要です。
docker pull
を行ってもホストにマウントされたファイルは保持されるため、テーマや記事、プラグインの設定は消えません。- WordPressコアファイルを最新に反映するには、
entrypoint.sh
に追加したスクリプトを活用して、自動更新を行うことが推奨されます。 entrypoint.sh
は再起動ごとに実行されるため、WordPressのコアファイルが常に最新の状態に保たれますが、テーマやプラグインのカスタマイズは影響を受けません。
定期的に行うべき手順
1. Dockerイメージの最新バージョンを取得する
定期的にWordPressやMySQLのイメージを最新のものに更新するため、以下のコマンドを実行します。
docker pull wordpress
docker pull mysql
2. コンテナを停止する
イメージを更新した後、コンテナを停止します。
docker compose down
3. 再ビルドが必要な場合
再ビルドが必要になる条件は、次のような場合です:
- Dockerfileが編集された場合:
Dockerfile
内で新しいパッケージを追加したり、設定を変更した場合。 - entrypoint.sh や設定ファイルが編集された場合: 例えば、WordPressの自動更新スクリプトやPHP設定を変更した場合。
このような場合には、再ビルドが必要です。以下のコマンドでキャッシュを使わずに再ビルドします。
docker compose build --no-cache
4. コンテナを再起動する
イメージが再ビルドされた後、または単にコンテナを再起動する場合は、以下のコマンドでコンテナをバックグラウンドで起動します。
docker compose up -d
docker pull
で最新のイメージを取得し、docker compose down
でコンテナを停止。- ファイルが編集された場合や設定変更がある場合は、
docker compose build --no-cache
で再ビルド。 - 変更がない場合は、
docker compose up -d
でコンテナを再起動。
Dockerでのファイルマウントとディレクトリ生成の問題
Dockerでファイルをマウントしようとした際、ホスト側にファイルが存在しないと、ファイルの代わりにディレクトリが作成されてしまう現象が発生します。これはDockerのデフォルトの挙動に関連しているため、適切な対策が必要です。以下にその理由と解決策を説明します。
1. ファイルとディレクトリのマウントの違い
- ディレクトリのマウント: Dockerでディレクトリをマウントする場合、ホスト側にそのディレクトリが存在しないと、Dockerは自動的にそのディレクトリを作成します。
- ファイルのマウント: 一方で、ファイルをマウントする際にホスト側にそのファイルが存在しない場合、Dockerはファイルではなくディレクトリを作成してしまいます。この挙動が原因で、意図しない結果になることがあります。
2. 問題が発生する条件
この問題が発生する具体的な状況は以下の通りです。
- ホスト側にファイルが存在しない: 例えば、
docker-compose.yml
のvolumes
でファイルをマウントする設定があった場合、ホスト側にそのファイルが存在しないと、Dockerはその場所にディレクトリを作成してしまいます。volumes: - ./php/php.ini:/usr/local/etc/php/conf.d/php.ini
上記設定で、ホスト側の./php/php.ini
が存在しない場合、Dockerはphp.ini
というディレクトリをホスト側に作成してしまいます。 - コンテナ内でファイルが期待されている: コンテナ側では
php.ini
がファイルとして期待されていますが、ホスト側にファイルがないため、ディレクトリがマウントされ、コンテナ内で予期しない挙動が発生します。
3. 問題の原因
この問題の原因は、Dockerのデフォルト動作にあります。Dockerは、ホスト側にマウントするファイルが存在しない場合、自動的にディレクトリを作成します。そのため、マウントするファイルは事前にホスト側で作成しておくことが重要です。
4. 対策
この問題を回避するためには、以下の対策が有効です。
- ホスト側にファイルを事前に作成する: ファイルを事前にホスト側に作成しておくことで、Dockerが誤ってディレクトリを作成するのを防ぐことができます。たとえば、
php.ini
ファイルを最初からホスト側に用意しておきます。 entrypoint.sh
でファイルの存在をチェックする: スクリプト内でホスト側にファイルが存在するかどうかを確認し、存在しない場合はダミーファイルを作成する処理を入れることも、効果的な対策の一つです。
Dockerでファイルをマウントする際、ホスト側にファイルが存在しないとディレクトリが作成されてしまうため、マウントが期待通りに動作しないことがあります。この問題を防ぐためには、ホスト側にマウント対象のファイルを事前に用意しておくことが重要です。特に設定ファイル(例:php.ini
)のようなファイルを最初からホストに置いておくことで、Dockerの挙動を安定させることができます。
同じWordPressイメージでも言語設定が異なる理由
同じWordPressのDockerイメージを使用していても、デフォルトの言語設定が異なることがあります。これは以下の要因が影響している可能性があります。
考えられる原因
- 環境変数の違い
docker run
コマンドで作成した場合、日本語のロケールが自動的に設定されていることがありますが、docker-compose
を使用するとデフォルトの言語設定が異なることがあります。docker-compose.yml
内で環境変数を適切に設定していない場合、この差異が発生する可能性があります。 - テーマやプラグインの影響
使用しているテーマやプラグインが言語設定に影響を与えることがあります。特定のテーマやプラグインでは、デフォルトで英語が設定されていることがあります。 - インターネット接続の違い
WordPressは初回インストール時に必要な翻訳ファイルをインターネット経由で自動ダウンロードします。しかし、インターネット接続が不安定な場合や制限がある場合、このダウンロードが失敗し、デフォルトで英語が表示されることがあります。
wp-includes と wp-admin の上書きについて
wp-includes
と wp-admin
のディレクトリは、基本的に上書きしても問題ありません。これらのディレクトリには、WordPressのコア機能に関連するファイルが含まれており、ユーザーが直接カスタマイズする必要はほとんどありません。
各ディレクトリの役割
- wp-includes: WordPressの内部機能を提供するライブラリやスクリプトが含まれています。WordPressの動作に不可欠な機能をサポートします。
- wp-admin: WordPressの管理画面(ダッシュボード)のファイルが含まれており、管理機能の表示や操作をサポートします。
上書きの理由
これらのディレクトリは、WordPressのバージョンアップ時に更新されるべきコアファイルが含まれています。新しいバージョンのWordPressをインストールする際、これらのディレクトリを上書きすることによって、最新機能やセキュリティ修正が適用されます。
注意が必要なディレクトリ
- wp-content: テーマ、プラグイン、ユーザーがアップロードしたファイルが含まれています。このディレクトリはユーザーのカスタム設定やコンテンツが保存されているため、上書きしないように注意が必要です。
- wp-includes と wp-admin は、WordPressのコア機能に関連するファイルであり、最新バージョンに上書きしても問題ありません。
- wp-content については、テーマやプラグイン、ユーザーのアップロードファイルが含まれているため、上書きしないよう注意しましょう。
WordPressの更新や設定時に上書きすべきファイルとそうでないファイルの違いが明確になります。最新のWordPress環境を安全に維持するための手順として、ぜひ参考にしてください。
なぜ別のコンテナが必要なのか?(.sqlファイルとしてデータベースを定期的に保存)
マウントしたデータベースを使用しているだけでは、データの移行や復元が少し手間がかかる場合があります。具体的な理由とバックアップコンテナを利用する利点を詳しく説明します。
マウントしたデータベースの移行が難しい理由:
- データの直接操作が複雑:
- マウントされたデータはホストの
./db_data
ディレクトリに保存されていますが、データベースの移行の際には、単純にディレクトリをコピーするだけでは不十分です。 - データベースのバイナリファイルには、MySQLバージョンや設定に依存する部分があるため、異なる環境への移行が難しい場合があります。
- マウントされたデータはホストの
- MySQLの設定やバージョンの互換性:
- 異なるサーバーや異なるMySQLのバージョン間での移行の場合、バイナリデータの互換性に問題が生じることがあります。
- このため、単純なファイルのコピーでは正常にデータが移行できないリスクがあります。
- データの整合性の確保が難しい:
- 稼働中のデータベースのデータを移行する場合、データベースを一時的に停止して、整合性を確保しなければならないことが多いです。
- 特に大規模なデータベースの場合、稼働中にファイルをコピーすると不完全なデータ移行になるリスクがあります。
バックアップコンテナを利用する利点:
- 移行が容易:
.sql
ファイルはMySQL標準のエクスポート形式なので、他のMySQLインスタンスにインポートする際も互換性が高いです。これにより、別の環境やサーバーへの移行がスムーズになります。- MySQLのバージョンや設定が異なる場合でも、
.sql
ファイルでの移行は非常に信頼性が高いです。
- バックアップと復元が簡単:
- 定期的に
.sql
ファイルとしてバックアップしておくことで、必要に応じてすぐにデータを復元することができます。 - また、スナップショットのように特定の時点のデータを保持できるため、万が一問題が発生した場合でも、過去の状態に戻すことが容易です。
- 定期的に
- 環境をまたいだ利用がしやすい:
.sql
ファイルはテキスト形式のデータベースダンプであり、他のサーバーやローカル環境に簡単に移行できます。異なるサーバー環境間でデータの移行を行う場合でも、柔軟に対応できます。
結論:
マウントしたデータベースではリアルタイムのデータ保存が可能ですが、移行や復元を容易に行うためには、定期的に**.sql
形式でバックアップ**を取得する方が便利です。このようなバックアップコンテナを使うことで、データの保全性が高まり、移行時のリスクも軽減されます。
- 各ファイルの説明:
- 1. Dockerfile での参照
- 2. docker-compose.yml での指定
- 3. ファイルの配置と参照の仕組み
- 1. WordPressサービス
- 2. データベースサービス (db)
- 3. バックアップサービス (wpsql)
- 4. ボリュームの永続化
- .env ファイルの内容と説明:
- .env ファイルの役割:
- Dockerfile の内容と説明:
- 必要なパッケージのインストールと最適化
- なぜ重要なのか?
- entrypoint.sh の内容と説明:
- php.ini ファイルの設定と配置について
- Dockerコンテナの立ち上げ方法
- 1. ホスト側のディレクトリにマウントされている場合
- 2. ボリュームのみの場合
- 直前の記事5の4(オプションでボリュームの削除)の矛盾に関して:
- 例で比較:
- 1. ホスト側にディレクトリをマウントする場合(./db_data:/var/lib/mysql)
- 2. Docker内部のボリュームを使う場合(db_data:/var/lib/mysql)
- 簡単なまとめ:
- 結論:
- コンテナ再起動時にデータは初期化されるのか?
- 2回目以降に最新のWordPress状態を反映するには?
- 1. Dockerイメージの更新
- 2. ホストにマウントされたファイルへの影響
- 3. entrypoint.sh の動作(WordPressコアの自動更新)
- 4. 最新のWordPressコアファイルを反映するには?
- 定期的に行うべき手順
- Dockerでのファイルマウントとディレクトリ生成の問題
- 同じWordPressイメージでも言語設定が異なる理由
- wp-includes と wp-admin の上書きについて
- マウントしたデータベースの移行が難しい理由:
- バックアップコンテナを利用する利点:
- 結論:
- もしデータベースにコマンドで接続したいとき
もしデータベースにコマンドで接続したいとき
Dockerで立てたMySQLコンテナに外部から接続する場合、通常は以下のコマンドを使います。MySQLコンテナは、docker-compose.yml
でポートが適切に公開されていれば、外部接続が可能な設定になっています。
ホストマシンからMySQLコンテナに接続する場合
ホストマシンからMySQLコンテナに接続するには、次のコマンドを使用します。
mysql -u root -p -h 127.0.0.1 -P 3306
-u root
: MySQLのユーザー名を指定します。ここでは、デフォルトのroot
ユーザーを使います。-p
: パスワードを入力するためのプロンプトを表示します。-h 127.0.0.1
: ホストのIPアドレスです。通常、ホストマシンからコンテナに接続する場合は127.0.0.1
(ループバックアドレス)を使います。-P 3306
: MySQLのポート番号です。デフォルトで3306
がMySQLのポートとして使用されます。
外部接続が可能になっている理由
Dockerで立てたMySQLコンテナでは、docker-compose.yml
でポートが公開されている場合、外部接続がデフォルトで有効になっています。これは、通常のMySQLサーバーと異なり、bind-address
の設定などを手動で変更する必要がないため、簡単に外部接続が可能です。パスワードは環境変数の設定ファイルにあるMYSQL_ROOT_PASSWORDの文字列を入力します。
例えば、以下のようなdocker-compose.yml
の設定により、MySQLのポートが外部に公開されています。
services:
db:
image: mysql:latest
ports:
- "3306:3306"
この設定によって、ホストマシンの3306
ポートがMySQLコンテナの3306
ポートにマッピングされ、外部からの接続が可能になります。
別のPCからアクセスする場合
もし別のPCからDockerコンテナのMySQLサーバーに接続したい場合は、127.0.0.1
(ローカルホスト)の代わりに、MySQLコンテナが動作しているホストマシンのIPアドレスを指定する必要があります。たとえば、ホストマシンのIPアドレスが192.168.1.100
である場合、次のように接続します。
mysql -u root -p -h 192.168.1.100 -P 3306
192.168.1.100
はホストマシンのローカルネットワーク内のIPアドレスです。これを使用することで、他のPCからホスト上のMySQLコンテナに接続できます。
注意点
- 別のPCから接続する場合は、ホストマシンのファイアウォール設定で3306ポートが開放されていることを確認する必要があります。
- また、
docker-compose.yml
でポートを正しく公開していない場合、他のPCからの接続がブロックされることがあります。以下のように、ポートマッピングが正しく設定されているか確認してください。